このエントリーをはてなブックマークに追加   

昨日はグラウンド状態不良により中止。

勢いのあるうちにやっておきたかったですが、致し方なしですね。

お疲れの選手もいますので、一日休みを貰ったと思って明日に備えてもらいましょう。

で、今日は移動日で試合がないので、この本について書きます。


『プロ野球・二軍の謎』 田口壮 (幻冬舎新書)
(画像をクリック・タップでamazonの商品ページにいけます)

この3月に出たばかりの、田口二軍監督の著書です。

京セラドームでも買えるようですから、すでに読まれた方も多いかもしれませんが、まだの方もいらっしゃるものとして、読んだ感想をお伝えします。

内容としては、ファンにとってよくわからない面が多い、プロ野球の二軍という組織と二軍監督という立場について、当事者である田口二軍監督が自ら解説している本、ということになると思います。

二軍監督って何をしているの?

選手の昇格・降格はどうやって決めているの?

球団本部やコーチとのコミュニケーションはどうやってとっているの?


といった、客席から見ていてはわからない部分についてしっかり書いてくれています。

また、アメリカでメジャーから2Aまで経験してきた自身の体験をもとに、アメリカと日本の「二軍」の違いについても紙幅を割いています。

日経新聞に連載していた「二軍監督・田口壮」の内容を再掲した部分がありますが、本書では各月に一年後の田口さんによる後日談が付けてあり、田口さん自身がシーズン中の自分を振り返っています。これは、日経新聞を通してリアルタイムで読んでいた方にも楽しめる配慮ですね。

けど、私にとって一番読み応えがあったのは、最終章です。

「二軍監督の仕事」という章立てで、田口さんがこの1年で経験したこと、特に部下である若手選手との向き合い方・指導法に関する苦労について書いています。

田口さん、まだ若く見えますが、今年48歳。

阪急戦士の背中を見て育ち、「ド根性主義」の野球を体で知る最後の世代です。

なので20代の若手選手とは考え方の隔たりがかなりあるようで、普段からの接し方や、指導のし方、しかり方には非常に苦労しているようです。

私たち企業人の世界でも、

「いいからやれ!」

「仕事は教えてもらうものではなく、見て盗め!」

「終業後も先輩と積極的に付き合い、酒の席で仕事の肝を教われ!」


といった考え方の「昔気質の先輩」が、

「説明されて、理解し、納得しなければやりたくない」

「自分ができないのはちゃんと教えられない先輩の責任」

「終業後はプライベートなので、飲み会などで拘束されたくない」


という「イマドキの若者」とうまくコミュニケーションができない、なんて話はよく聞かれます。

というか、私の周りでも実際によくあります。

私の周囲では、本当は理解できていないのに、はっきり「わかりません」と言えない人が多いですかね。

それでいてミスをすると、「教わっていない」「わかるように説明してくれなかった」と平気で言っちゃいますね。

お前さっき「わかりました」って言ってたじゃん・・・。

「昔気質の先輩」は、事前にきちんと説明しただけでも「イマドキの若者」に対して最大限の譲歩したつもりですから、そんなことを言われてしまっては、怒るやら嘆くやら悲しむやら。もう直接言ってもダメだと察して、彼らのいないところで愚痴をこぼすのです。

何につけても闘志をむき出しにしない、そこそこでいいと決めて、人よりいい成果を出して出世してやろうなんて考えない「イマドキの若者」は、仕事に対して必死さがないです。怒られない程度にできていればいいという考えですから、細かいところまで徹底する繊細さもないです。オフにまで仕事は持ち込まないし、それで他者に出し抜かれても「生き方は人それぞれ」で割り切れてしまうようです。

もちろん、若手社員全員がそうだ、というわけではないです。一生懸命仕事を覚えようと細かく質問し、必死にメモをとりながらついてくる人もいますし、終業後の方が元気な(というか、終業後の頑張りがなかったらどうなっちゃうんだろうという)人もいます。いっしょくたにしてまとめられるものではないですが、それでも敢えてまとめると、そういう傾向が顕著だ、というお話です。

そういう「イマドキの若者」のドライな立ち居振る舞いは、「昔気質の先輩」からすると非常に怠惰に見えるんですね。自分が若いころに辛くても必死にやっていたことを、平然とやらずに済まそうとしているわけですから、「おいおいおい・・・」と思ってしまう。

結果がすべてのプロ野球の世界でも、そういう世代の違いが如実に出ているらしく、中には「野球さえうまければいい」と甘やかされてきたんじゃないかという選手もいるようで、田口さんは二軍監督として彼らとどう接するべきか悩んだようです。

悩んだ結果、どうするべきか、という田口さんなりの答えが、本書には書かれています。

私からすると、どっちもどっち、両者がうまく立ち回ればいいのにと思うこの「イマドキの若者vs昔気質の先輩問題」なのですが、田口さんの答えやいかに!

田口さんと近い世代の方は共感するところも多いと思いますし、田口さんより若い世代の方には「先輩ってこういう考え方なのか」とわかってもらうきっかけにはなるのではないかと思います。

田口さんらしいとても読みやすい文章で、すいすい読めます。具体的に東海道新幹線でいうならば、東京~新大阪間で読むのにちょうどいいボリュームだと思います。

『プロ野球・二軍の謎』 田口壮 (幻冬舎新書)
(画像をクリック・タップでamazonの商品ページにいけます)

まだの方は是非!


お読みいただきありがとうございます。
お気に召しましたらクリック(タップ)をお願いします。
にほんブログ村 野球ブログ オリックスバファローズへ 

このエントリーをはてなブックマークに追加